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第一章 紅い夢 

 

 

また、夢を見る

以前神話の本で見かけた風景

かつて人類が神界を目指し建てたという天へと延びる巨塔

崩れ落ち、朽ち果てたその頂上部で

神界の闇が目を覚ます

世界が終末の炎に焼かれ消えていく

――――紅い、紅い夢を見た


ハインライム魔法学院に通う学生セーファは世界が紅く染まり滅びる予知夢を見る。

彼は友人達と共に研究課題を行いながらも過ぎる毎日に退屈を感じていた。

正直世界が滅びるならそれでも別に構わない、とさえ思っていた。

しかしある日友人であるザッグが里帰りした際

北の地にてその力を誇示するダルカロッソの黒騎士ローゼアンによってザッグの故郷は襲撃を受けてしまう。

ザッグが学院に戻ってくる事は無かった。

初めて彼は失う事の悲しみを知った。

このままでは人も動物も全てが死んでしまう。

彼は紅き滅びの未来を防ぐ為、遥か南の禁断の地を目指して旅に出るのだった。


 

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